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時代の正体 レイシストを追う
川崎でヘイト街宣 かき消す市民、飛び入りの女性も「NO」

社会 | 神奈川新聞 | 2021年9月14日(火) 05:00

ハングルのプラカードで多文化共生をアピールする市民ら=川崎市高津区のJR武蔵溝ノ口駅前

 外国人排斥を繰り返す差別者集団「日の丸街宣倶楽部」のヘイト街宣が12日、川崎市のJR武蔵小杉駅、武蔵溝ノ口駅前であり、多くの市民が差別に対抗するカウンターに駆け付けた。抗議の声でヘイトスピーチを無効化するとともに、啓発やデマ否定のパンフレットを配布。レイシストのヘイト活動を反差別の場に転化し、差別を許さない機運を広めた。

 ヘイトスピーチを含むあらゆる差別を禁じる市条例は差別解消施策への協力を市民に求める。市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は、「差別が垂れ流されている現場で『ノー』の意思を示すことが大事。マイノリティー市民を守り、共に生きる社会をつくることは市民の責務だ」と訴えながら、ヘイト街宣を非難する横断幕を広げた。

 猫好きな市民でつくる「肉球新党 猫の生活が第一」も道行く人にパンフを配り、放置をすれば暴力につながるヘイトスピーチの害悪を周知した。

 ヘイト街宣はJR川崎駅だけでなく小田急線新百合ケ丘駅前でも行われるようになっており、武蔵小杉駅前では7月に続いて2回目、武蔵溝ノ口駅前では初めて。拡声器を使い、ヘイトスピーチが周囲に聞こえないようかき消すカウンターの姿に、足を止めていたベトナム人留学生の男性2人は「私たちにとってはとてもありがたいことだ」と感謝を口にした。

 パンフを受け取り「頑張って」と激励する人や飛び入りで抗議の輪に加わる人も。買い物で駅を訪れた同市高津区の女性(49)はとっさに画用紙を買いに走り、黒ペンで書いた「NO HATE!」の文字を差別主義者の面前に掲げた。韓国人の母と日本人の父を持つ幼なじみのことが頭をよぎったといい、「見て見ぬふりはできなかった。差別をする人たちに理は一切なく、一緒に怒っている市民の存在が心強かった」。

 その場に立つと道行く人たちの視線が気になった。「無関心が最もよくない。たとえ一人であっても声を上げていきたい」(石橋 学)

【視点】認定してこその抑止

 
 

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