特殊詐欺の検挙件数が2020年、過去最多となった。被害総額はピーク時から半減したが、依然として水準は高い。だまし取った通帳やキャッシュカードを使い荒稼ぎを狙う詐欺グループにとって、必要不可欠なのが現金を引き出す「受け子」や「出し子」だ。その末端の実態に迫る。
(公判廷供述など訴訟関係資料のほか、訴訟関係者、捜査関係者、詐欺グループ関係者への取材を基に構成しています)
「『赤城グループ』はある意味、特殊なんですよ」
捜査関係者はそう指摘する。
昨年10月に逮捕された赤城茂(36)=仮名=は、首都圏を中心に約140件の特殊詐欺事件を主導し、被害額は1・9億円に上るとされる。