24日に開幕する東京パラリンピックの聖火の種火を採る「採火式」の2日目が13日、神奈川県内各地で行われた。コロナ対策で規模の縮小を迫られながらも、パラアスリートや愛好家、住民らが趣向を凝らした方法で火をつなぎ、大会の無事と共生社会の実現を願った。
ガス灯は「多様性の象徴」
横浜市では中区の開港広場公園前で開催し、ガス灯から採火した。開港の地・横浜に日本で初めて設置されたガス灯を多様性の象徴と位置づけ、共生社会への思いを込めた。
冬季パラリンピックのアルペンスキー金メダリストで横浜ゆかりの大日方邦子さんら3人が高さ約4メートルのガス灯から火を採り、ランタンに移した。
式後のトークセッションで、大日方さんは「横浜らしい伝統あるガス灯から火が移り、(各地から)集められて大きな火になるのはパラリンピックらしい」と声を弾ませ、「(選手は)まずは自分の力を出し切ることに集中してほしい」とエールを送った。
パラアイスホッケー銀メダリストの上原大祐さんは、健常者がパラスポーツを「する」ことで練習環境が改善されるなどの効果があると指摘。観戦しながら「一つ『する』を選んでもらえたらうれしい」と期待を込めた。
ペットボトルで手作りランタン
採火式、創意キラリ 横浜ゆかりの大日方邦子さんら参加
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ガス灯から採火する大日方さん(右)ら=横浜市中区 [写真番号:772806]
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ランタンから採った種火を中央のトーチに集める=潮風スポーツ公園 [写真番号:772807]
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トーチの火を移して運搬用ランタンに採火する吉田市長=潮風スポーツ公園 [写真番号:772810]
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ペットボトルで手作りしたランタンのろうそくから採火する障害者施設の関係者 [写真番号:772809]
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山﨑さん(左)に火をつなぐ都築さん=二宮町中里の東京大学果樹園跡地 [写真番号:772805]