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#あちこちのすずさん
疎開先での食事、ありがたい差し入れ…でも苦さにびっくり

社会 | 神奈川新聞 | 2021年8月10日(火) 06:00

(女性・82歳)

 戦争中、信州の父の実家で暮らしていた。私たちきょうだいと祖母のほか、父の妹家族が東京から疎開してきて、総勢で13人。

 お勝手で円形状にお膳を並べて、にぎやかな食事風景。日中に遊び疲れた幼い子どもらは、夕食を食べながら、こっくりこっくり居眠りをした。

 食事など日々の暮らしは別々だったが、父の弟の知人という母娘3人家族も名古屋から疎開して住んでいた。

 その奥さんが夕食前、「これ、煮てみましたので、食べてください」と、母に一皿のおかずを渡した。土手から収穫したツクシを炒め煮したものと、タンポポの葉と根の煮物の2品が盛られていた。

 私はタンポポが食用になると初めて知った。ツクシは普通に食べられたが、タンポポの苦さには驚嘆した。せっかく調理してもらったのだから、薬と思いながら食べたことは忘れられない。

 思うように食材が手に入らぬ時代、差し入れはありがたかった。だが正直言って、皆から「これはおいしい。もっと食べたいね」の声はなかった。


 戦時下の日常を生きる女性を描いたアニメ映画「この世界の片隅に」(2016年)の主人公、すずさんのような人たちを探し、つなげていく「#あちこちのすずさん」キャンペーン。読者から寄せられた戦争体験のエピソードを、ことしも紹介していきます。

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