「個人情報の保護に必死な時代に、突然玄関に訪ねてきて、踏み込んだことを聞いてくるので不安です」。川崎市内の40代主婦から、「追う! マイ・カナガワ」取材班に心配そうな声が届いた。新手のセールスではない。全国で実施されている警察の「巡回連絡」のことだが、昨今のさまざまな犯罪を考えると確かに怖い─。
「今の時代、最善?」
マンション住まいという女性は「地域の警察が、かなり細かな家族構成や個人情報を聞いて回っている様子」と困惑している。実際に対応したのは在宅していた夫で、子どもの学校名なども答えたという。
オートロックのマンションではないため、直接玄関を訪れ、「近くの派出所から来たことと、所属を証明するようなものを見せられた。夫は本物の警察と信じて回答した」と状況を説明する。
近所の立ち話では、こんなことも耳にした。「大学生のお子さんがいる家庭では身長や体格、大学名を聞かれたそうです」。そこまで聞かれると、身構えてしまう気持ちも分かる。
女性は「地域の安全を守ることには極力協力したい」としつつも、懸念を隠せない。「何のために国勢調査をやったり、マイナンバーカードを作ったりしているのか。警察を装った詐欺や強盗被害に遭う可能性もあり、今の時代にこの方法は最善なのでしょうか。突然玄関に訪ねてこられるのは、恐怖心さえ覚えます」
女性に代わって警察に疑問をぶつけた。
1950年から実施
「警察の巡回連絡」…突然の来訪「不安です」 目的って?
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家族の氏名や緊急連絡先などを記入する巡回連絡カード [写真番号:767906]
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戸部警察署みなとみらい交番(左)と高層マンション。地域で集めた巡回連絡カードは、各交番で保管されている=横浜市西区 [写真番号:767907]
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地域を巡回する警察官=横浜市中区 [写真番号:767908]
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小川泰平さん(小川さん提供) [写真番号:767909]