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燃えた母の防空頭巾を水に…空襲の日、頼もしかった兄

社会 | 神奈川新聞 | 2021年8月3日(火) 17:00

(女性・86歳)

 あの頃、小学生(国民学校)の私には、戦場で生活しているように思える日々でした。

 静岡県に住んでいた私たち家族は、空襲警報が鳴り響くと、壕(ごう)に素早く避難。近くの空き地につくって、近所の3家族で共有していたのです。

 息を潜め、教えられた通りに、爆弾の破裂音から鼓膜を守るため、指で耳栓をし、敵機の通過を待つ恐怖。

 その時の焼夷(しょうい)弾投下はすさまじいものでした。清水駅を中心に工場があったせいか、東側が猛攻を受けました。このままでは危ういと壕を脱出。3軒それぞれがバラバラに逃げ、私たちは駅西側の知人宅へ向かいました。

 猛火の中、弟を背負っていた母の防空頭巾が燃え始めました。中学生の兄が、当時は各家に用意してあった防火用水に頭巾を浸して、母に渡しました。兄がとても頼もしく思えました。

 馬を飼っていた同級生の家で、木製のように黒く焼けた馬を見ました。今も強烈によみがえります。

 この空襲で家は無事でしたが、父と兄以外は縁故疎開することになりました。


 戦時下の日常を生きる女性を描いたアニメ映画「この世界の片隅に」(2016年)の主人公、すずさんのような人たちを探し、つなげていく「#あちこちのすずさん」キャンペーン。読者から寄せられた戦争体験のエピソードを、ことしも紹介していきます。

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