1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 国会正門に激突死の青年(上) 復帰1年後になぜ

時代の正体 沖縄考 記者の視点 田中大樹
国会正門に激突死の青年(上) 復帰1年後になぜ

社会 | 神奈川新聞 | 2021年7月19日(月) 10:00

雨中の国会議事堂。上原さんは正門に大型バイクで激突死した=東京都千代田区

 空が泣いていた。6月23日、沖縄戦で旧日本軍による組織的戦闘が終結したとされる「慰霊の日」、私は国会前にいた。激しい雨が路面をたたく。会期延長を求める声を置き去りに、1週間前に閉会されていた。人影はまばらだ。

 国会正門は警視庁のある桜田門方面から坂を上った突き当たりにあり、その奥に議事堂がそびえ立つ。「国権の最高機関」たる権力を誇示しているかのように映る。

 48年前の1973年5月20日午後、ここで1人の青年が命を落とした。750ccの大型バイクで正門の鉄製門扉に突っ込み、即死した。

 当時の報道によると、正門前の丁字路交差点の信号が青に変わると猛スピードで直進し、激突した。その一部始終を警備の警察官が目撃していた。ブレーキ痕はなく、自死と判断された。遺書はなかった。

 所持品は現金300円ほどと高速道路の通行券のみ。免許証を携帯していなかったが、車両ナンバーから身元が判明した。

 上原安隆さん、26歳。沖縄で生まれ育ち、事故当時は川崎市川崎区のアパートで暮らしていた。長距離トラックの運転手だった。

 翌日の新聞各紙は〈単車男、80キロで即死〉〈事故? 自殺? ナゾの暴走〉の見出しで報じた。神奈川新聞は社会面下段で「国会正門に激突、死ぬ」との見出しとともに、22行のベタ記事を掲載した。続報はなかった。

唯一の痕跡

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら

沖縄に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング