「横浜駅はあんなにきれいになったのに、いまだに構内に雨漏り対策のビニールチューブやバケツが随所に配置されています。なぜでしょうか」。横浜市内の会社員男性(53)から「追う! マイ・カナガワ」取材班に疑問が寄せられた。
駅ビルも完成したばかりで見た目はピカピカのハマの玄関口。梅雨シーズンに事情を探ってみた。
“サグラダ・ファミリア”

1日の平均乗降者数が国内4位、約84万人に上るJR横浜駅。鉄道6社が乗り入れる巨大ターミナル駅は、いつもあちこちで改修をしている。終わらない工事をスペインの世界遺産になぞらえて“日本のサグラダ・ファミリア”とやゆする声もあるほどだ。
JR東日本は昨年、横浜駅西口直結の高層ビル「JR横浜タワー」を完成させた。西口と東口をつなぐ通路も改修され、同社によると長年続いた西口の工事は一区切りを迎えたという。
商業施設やオフィスなどが入居する同ビルのアトリウムは4階まで吹き抜けで、明るく開放的だ。

駅全体がリニューアルされたような印象も受けるが、同駅改札内の「エキュートエディション横浜」広場の天井などに、雨漏り対策用の透明のチューブ(写真【1】)が複数ぶら下がっている。
記者は、停滞する梅雨前線の影響で県内で大雨警報が出された7月2日、同駅構内を歩いてみた。
横浜駅地下1階の中央自由通路を見渡すと、中央北改札の真横に青いバケツを見つけた(写真【2】)。近くの店舗で店員に聞くと、「駅員さんが雨の日にバケツを置いて対策しているのを見掛けるが、あまり気にならないですよ」。バケツを持った駅員の姿は、日常風景に溶け込んでいる。
基本構造物は1981年築
ついに完成、横浜駅ビル工事…でも雨漏りバケツが随所に?
【1】JR横浜駅改札構内の広場に設置された雨漏り対策のチューブ=6月上旬 [写真番号:695699]
【2】JR横浜駅の中央北改札に設置された雨漏り対策用のチューブとバケツ=2日午後 [写真番号:695702]
昨年オープンした横浜駅西口直結のJR横浜タワー=横浜市西区 [写真番号:695703]
1981年に完成した当時の横浜駅の東西自由通路(現・中央自由通路) [写真番号:695704]
横浜駅で雨漏りしているエリア [写真番号:695709]
JR横浜駅中央北改札に置かれた雨漏り対策用のバケツ=横浜市西区、7月2日 [写真番号:695715]
昨年オープンした横浜駅西口直結の高層ビル「JR横浜タワー」=横浜市西区 [写真番号:695716]