水害の軽減に向け、国や自治体、住民などが連携する「流域治水」が、多摩川、鶴見川、相模川の1級3水系で動きだした。
管理者の国が3月に公表した各水系のプロジェクトは、流域ごとに異なる弱点や特徴に応じた施策を打ち出している。
1年半前の台風19号で深刻な浸水被害が出た多摩川では、支流との合流地点で氾濫を防ぐ新たな施設整備の方針を明記。鶴見川の源流部で休耕田の機能に着目した雨水の貯留、相模川では危険な川沿いを居住誘導区域から除外するといった試みがスタートしている。
合流部に水門
多摩川、鶴見川、相模川… 動き出した流域治水の試みとは
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氾濫を防ぐ新たな対策が検討されている平瀬川の合流部。奥が多摩川=2020年10月、川崎市高津区 [写真番号:589769]
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2019年の台風19号で過去3番目の量を貯水した鶴見川多目的遊水地。鶴見川の水位を30センチほど下げる効果があったという(国土交通省京浜河川事務所提供) [写真番号:589770]
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県内2級水系のトップを切って流域治水が動きだした引地川。遊水地の整備が進んでいる=2020年3月、藤沢市 [写真番号:589771]