横浜市南区三春台の写真家倉田光一さん(72)が、東日本大震災の被災地で撮影した写真を自宅前に設けた掲示スペースで展示している。
発生から数カ月後に現地に足を運んで以降、年数回のペースで撮りためてきた。
「写真家として何ができるかを考え続けた10年だった。多くの人に見てもらい、写真を通して被災地に思いを寄せ、震災をわが事として考えてほしい」と願う。
2011年3月11日、倉田さんは自宅で感じた大きな揺れにおののいた。テレビ画面には、街を容赦なくのみこんでいく津波の猛威が映し出されていた。
「自分が無力であることを実感した。同時に写真に携わる者として何ができるのかを考えた」
同年8月、撮影機材を積み込んで宮城県に車を走らせた。以降、年2~3回のペースで岩手、宮城、福島の被災3県を訪れ、刻々と変わる被災地の風景や人々を1万枚以上、撮り続けてきた。
2時46分で止まった時計
移りゆく被災地の風景刻み 横浜の写真家、自宅前に展示
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自宅前の掲示板に東日本大震災の被災地を収めた写真を展示している倉田さん=24日、横浜市南区三春台 [写真番号:589513]
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2013年6月に撮影した福島県富岡町の美容室の写真。傾いた時計の針は震災発生の午後2時46分ごろを指している(倉田さん提供) [写真番号:589514]