JR川崎駅前で11日、差別者集団「日の丸街宣倶楽部」のヘイト街宣が繰り返された。現場には差別に抗議する市民のいつにも増して切実な姿があった。足元で繰り返される「ヘイトクライム」を食い止めたい─。募る危機感がその背を押していた。
川崎市民である看護師の女性(40)は「ヘイトスピーチは違法です」と書かれたプラカードを手に立ち続けた。
「地道にやれることをやって食い止めなければいつか自分に返ってくる。今でも安心してまちを出歩けない人たちがいるのだから」
差別に反対する意思を示し、差別をあおりたいレイシストの企てに対抗する「カウンター」。参加するのは久しぶりだった。
「医療従事者なので外出を控えざるを得なかった。やっとワクチンを2回打つことができたので」
在日コリアンを殺せ、たたき出せと叫ぶヘイト団体に怖さを感じて抗議に足を運んできたが、以前とは切迫感が違っていた。
ヘイトクライム 食い止めたい
JR川崎駅前を行き交う人に看護師の女性が掲げたプラカード=11日、川崎市川崎区 [写真番号:585102]
ヘイト街宣に抗議する市民ら=11日、JR川崎駅東口 [写真番号:585343]