秦野市西部の千村(ちむら)地区で食用八重桜の収穫がピークを迎えている。全国有数の15~20トンの年間出荷量を誇り、活用の幅も広がる。
一方で、近年は担い手の高齢化や減少に加え、コロナ禍による需要の低迷にも直面。江戸時代から続く伝統産業の灯を消すまいと、栽培農家は苦境にあっても前を向く。
春の陽気に恵まれた7日、千村の農家では八重桜の摘み取り作業に余念がなかった。
この道50年の小野孝允(たかよし)さん(75)もその一人。親族ら8人が総出で、八重桜の枝に脚立を掛け、最高で約8メートルまで登って、手作業で花を摘み取っていく。
あんパンの中央に
消すまい、伝統産業の灯 食用八重桜、秦野で収穫ピーク
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脚立で8メートルほどの高さまで登り、八重桜の摘み取りを行う小野孝允さん=秦野市千村 [写真番号:580553]