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ヨコ食ハッピーギフト コロナ影響で困窮する単身女性

社会 | 神奈川新聞 | 2021年4月5日(月) 10:00

フォーラム南太田では、レトルト食品や生活用品の提供も行われた=横浜市南区

 1人暮らしの女性に食の支援をする「ヨコ食ハッピーギフト for 一人暮らしの女性」が3月に行われ、新型コロナウイルスの影響などで経済的に困窮している横浜市内の単身女性約1000人に「おこめ券」やレトルト食品などを配布した。支援を通じて、対象者からは日々の生活や仕事についての声も寄せられ、公的支援の対象になりにくい単身女性が置かれた厳しい状況が浮かび上がった。

 横浜市社会福祉協議会と、市男女共同参画推進協会が国際女性デー(3月8日)の特別企画として食の支援を実施した。協会を通じて1人暮らし女性支援の取り組みを知った市社協が、大口の寄付を受けたことをきっかけに、両者で連携することになったという。

 協会によると、「男女を問わず、1人暮らしは家族をつくる前の一時的な暮らし方」という考えが強く、高齢だったり所得が低かったりという状況を除き、単身世帯は生活支援の対象になりにくい。また、新型コロナの就労面の影響は女性の方が大きく、収入減などで経済的に困窮するケースが増加しているという。

 今回は「支援の対象になりにくく、地域とのつながりが薄いため孤立しがちな面もある」(協会)という層の潜在的なニーズを把握することも目的に希望者を募集。予定の300件を大幅に超える1026件の申し込みがあり、配布対象を急きょ1000件に拡大した。郵送のほか、協会が運営する「フォーラム南太田」(同市南区)で直接配布した。

30代が最多

食支援申込者の年代

 協会がインターネットで申し込みがあった1020件の記載内容をまとめたところ、単身女性の苦しい状況が浮かび上がった。

 年代別では、最も多かったのが20代で27・7%(283人)。次いで30代が22・8%(233人)、40代が20・0%(204人)だった。数は少ないが10代(1・1%)、80代以上(2・0%)もいた。

 「現在困っている状況」(複数回答)で、最も多かった回答は「食費・交通費・日用品など、生活費に関すること」が47・9%(489件)と半数近くを占め、「収入に関すること」が40・4%(412件)、「体調・病気など健康に関すること」が36・2%(369件)、「仕事に関すること」が34・2%(349件)だった。

 また声を寄せた650人のうち、年代を問わず多かったのが「仕事が減った」「収入が減った」という回答。「食費を削っている」、「光熱費や生活費がかさむ」、「相談する相手がいない」という答えも幅広い年代で見られた。20代では「新人なので給料が低く、コロナでさらに減った」「他部署に異動し再度新人としてのスタートになり減収」など、仕事の経験の短さが苦しい状況につながっている様子が見える。40代では病気を抱えて仕事をしているという回答が増え始め、50代では「年齢的に次の仕事を見つけることが難しい」という声や、介護問題への不安も目立った。

エッセンシャルワーカーも

現在困っている状況

 支援の申込者には、医療従事者や保育、介護職などのエッセンシャルワーカーも目立ち、困難な状況も見えた。

 横浜市中区の女性(35)は、勤務先でのリストラや体調不良による退職を経験。治療などを経て、独学で保育士資格を取得した。パートでの勤務などに就き、2年ほど前から正規職員として保育園で働いている。

 現在はフルタイムで仕事をしているが、月給は新卒で勤務したIT系企業よりも数万円低い。「給与面で上がることがなく、長く続けるほど複雑な気持ちになる」。社宅のため家賃はかからないが、「仕事を失うと家もなくしてしまう。1人なので働いていないと保障もない」など、不安もあるという。

 支援を受けた人からは「『単身女性向け』とした支援が初めてで、うれしい」といった感想も寄せられた。国立社会保障・人口問題研究所の2011年の分析では、1人暮らしの女性世帯の相対的貧困率は勤労世代(20~64歳)で32%という結果も出ている。協会は「単身世帯の女性を対象にした自治体の施策は難しいと思うが、貧困率が高いということはもっと知られてほしい」としている。
(尹 貴淑)

寄せられた声

・コロナ禍で残業禁止、ボーナスも下がり収入が減った(20代)
・派遣で働いていて、ボーナスもなく支払いだけが増えていく(20代)
・親が病気で介護しながら仕事をしている(30代)
・フリーランスだが仕事が減り困っている。ひとり親などと違い経済支援がない(30代)
・非正規雇用で雇い止めになるんじゃないか、生活費は大丈夫かなど一人でいると何かと不安(40代)
・病気治療後経過観察中。仕事をしながら生活していてぎりぎりで過ごしている。不安が絶えない(40代)
・新型コロナの影響で仕事を辞めたが年齢的にも次の仕事を見つけるのが難しい(50代)
・どこに何をどう相談すればいいか分からない。孤立している(50代)
・パートの1人暮らし、収入も少なく老後が心配(60代)
・持病が治らず仕事に支障がある(60代)
・体調不良が時々あり、仕事を減らさざるを得なくなっている(70代)
・近所に知人がいない(70代)
・清掃の仕事をしていたがコロナ禍でなくなった(80代以上)

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