連合国軍総司令部(GHQ)が接収したとされる秘密資金(M資金)をかたり、大手外食チェーン会長の男性(73)から約31億2千万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた東京都港区、無職の男(66)の初公判が25日、横浜地裁(橋本健裁判長)であった。被告は「全面的に争います」と起訴内容を否認、弁護側も無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、被告が「M資金の管理者」として2800億円の資金を提供できると会長に信じ込ませたと指摘。その上で、資金提供には移送費や手数料、倉庫代などが必要と理由をつけ、最終的に「2800億円の1%が必要」などとして28億円を振り込ませた、とした。
起訴状などによると、被告はM資金が存在し、2800億円を提供できると装った上、資金提供を受けるには手数料などの名目で現金を払う必要があるなどと虚偽の説明をし、2017年7月ごろから18年9月にかけて男性に計約31億2千万円を振り込ませて詐取した、とされる。