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時代の正体 レイシストを追う
11都県のヘイト対策「不十分」 関東弁護士会連合会が調査

社会 | 神奈川新聞 | 2021年3月13日(土) 05:00

関弁連が公表したアンケート結果

 関東弁護士会連合会は11都県の自治体にヘイトスピーチ対策についてのアンケートを行い12日、結果を公表した。条例の制定といった新たな施策は一部にとどまり、従来の人権施策の延長で行われる教育・啓発事業が目を引く。差別的言動をなくす取り組みを求めるヘイトスピーチ解消法は6月に施行5年を迎えるが、実態把握の不十分さやさらなる法整備の必要性が改めて課題として浮き彫りになっている。

 法施行後の状況調査のため2019年3月に実施。関東7都県に静岡、山梨、新潟、長野県を加えた11都県と56の特別区・市町に聞き、66自治体から回答があった(回答率98・5%)。

 条例を定めたと答えたのは東京都と世田谷区、群馬県大泉町。いずれも罰則のない理念条例で、ヘイトスピーチに刑事罰を科す川崎市の条例は制定が調査後の同年12月のため回答に含まれていない。

 それ以外の施策では、ヘイト目的での公共施設の利用を制限するガイドラインの策定は1自治体、相談体制の整備も7自治体にとどまる。教育については11都県で全て、特別区・市町では28自治体(50・9%)が実施。啓発も8割近くで行われている。

 取り組みをしない理由で目立つのが、当該自治体内で「ヘイトスピーチが行われていない」とするもの。条例制定に関しては「国による全国統一的な対応が必要」「表現の自由との関係で慎重な対応が必要」というものもあった。同会副理事長の中野明安弁護士は「取り組む姿勢は感じられるが全体的に不十分。ヘイトがないと回答した自治体でもデモなどが確認されており、実態把握が十分できていない」と指摘。同会外国人の人権救済委員会委員の全東周(チョントンジュ)弁護士も「被害が可視化されていないのが一番の問題」と話す。

 同委員長の髙井信也弁護士は「これまで行ってきた人権施策のメニューが一つ増えたという程度の認識。回復困難な被害が生じるヘイトスピーチに優先して取り組む必要性が感じられていない」と懸念。川崎市条例のような罰則を含む実効性のある施策が求められているとした上で、「包括的な差別禁止法を定め、ヘイトスピーチを含む人種差別を違法化する必要がある。国が音頭を取り、努力義務にとどまった解消法から法的根拠がより明確になれば、自治体も動きやすくなる」と話した。(石橋 学)

【視点】川崎市を孤立させまい

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