大切な人を失い、生き方を見つめ直す─
川崎市高津区で町工場を営む大浪忠さん(74)は、肉親3人が犠牲になった東日本大震災を機に、周囲との絆を強めている。
「かわさきマイスター」の認定を受け、さまざまな職業体験者にものづくりの技能を伝承。「人々に喜んでもらえており、これからも続けたい」。地域とつながり、生きる意味を伝えている。
「あの日」からの変化
「敷地はなんとか分かったが、建物は跡形もなかった」
2011年3月11日の震災後、故郷の宮城県石巻市を訪ねた忠さんは言葉を失った。
地域との絆 生きる力に かわさきマイスター・大浪忠さん
相和シボリ工業の工場でへら絞りの作業をする大浪忠さん [写真番号:533341]
相和シボリ工業の(左から)大浪友和さん、忠さん、美津江さん=川崎市高津区 [写真番号:533340]