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追う!マイ・カナガワ
脱原発望む声、全国で拡大 地方紙連携アンケート

社会 | 神奈川新聞 | 2021年3月2日(火) 04:00

 2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生10年を前に、神奈川新聞「追う! マイ・カナガワ」など読者参加型の報道に取り組む全国の地方紙は、連携してエネルギー政策と原発に関するアンケートを実施した。

今後の原発政策について

 全国の約6200人が回答。今後の原発政策について、運転開始から40年超の稼働は控えるなど、脱原発を望む回答が82・3%に達した一方、運転延長や増設、建て替えといった「原発容認」は14・9%にとどまった。

 協働企画「#311jp」の一環。年代や男女比などを考慮した一般の世論調査とは異なる。

 原発政策についての回答として、「運転延長は控え、基数を減らしながら活用」「積極的に廃炉とし、脱原発を急ぐべきだ」「すぐにでも廃炉に」の各項目を合わせた「脱原発」の意見が82・3%に上った。

 福島原発事故からの10年間で、原発に対する考え方の変化も尋ねた。「今も変わらず反対」が最多の44・8%。次が「賛成でも反対でもなかったが、反対に傾いている」(13・9%)。「賛成だったが、一定程度縮小しても良い」(12・3%)、「賛成だったが、今は反対だ」(10・2%)と続き、脱原発を望む層が増えてきた傾向がうかがえる。

 事故発生の11年3月時点で国内の原発は17原発54基。老朽化もありこのうち21基の廃炉が決まり、再稼働したのは9基にとどまる。

 原子力規制委員会の審査を終えた原発再稼働の同意・了解について尋ねると「立地自治体に加え、周辺自治体も加えるべきだ」が86・1%で、幅広い合意形成を望む意見が大勢を占めた。原発事故時の避難計画の実効性確保についても「難しい」「どちらかと言えば難しい」が合わせて57・5%の一方、「可能」「どちらかと言えば可能」は合計18・2%にとどまった。

 菅義偉首相は「温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする」と目標を掲げ、電源構成などを定める国のエネルギー基本計画の議論も始まった。

 それに関連し、再生可能エネルギーの普及については「期待する」「ある程度期待する」が合わせて84・9%に及んだ。

立地・非立地で傾向に大差なし

 全国アンケートは、原発がある13道県からの回答が約3割を占めた。原発のない34都府県と比較すると、原発推進への賛意が多いなど一部で差がみられたが、全体的に大きな違いはなかった。

中部電力浜岡原発5号機=静岡県御前崎市(共同)

 事故からの10年間での原発に対する考え方の変化を聞いたところ「今も変わらず賛成している」割合が原発立地道県で10・2%と、非立地都府県の7・5%を上回った。ただ、同じ質問でほかの項目の差はみられなかった。

 「再生可能エネルギーのみならず、原子力を含めてあらゆる選択肢を追求する」との菅首相のエネルギー政策の方針についても質問。「妥当」は立地道県が16・4%、非立地都府県では13・8%とやや開きがあった。

 このアンケートでは、福島原発事故直後と比べ、日本のエネルギー政策に「関心を持っている」「やや持っている」と答えた人が計95・5%。問題に高い関心を持つ層が応じた傾向がある。京都府、愛知県、新潟県、福岡県、静岡県―の順で回答が多かった。

「なんのために必要か」考えなければ

明治大の勝田忠広教授(原子力政策)の話
 福島第1原発事故から10年で「脱原発」を求める理由は変わってきた。かつては恐怖心が先に立ったが、今は未解決の「核のごみの問題」を掲げる人が増えてきた。実際、事故前を大きく下回る基数の原発稼働が常態化する中、「それほど必要ではない」という冷静な見方が拡大した。

 ただ、こうした声はあまり政策に反映されておらず、政府が原発を推進しようとすれば、理由を丁寧に説明する必要がある。もちろん再生可能エネルギーの推進も重要だが、省エネなど暮らしの見直しからまず始めたい。「エネルギーは何のために必要なのか」を考えなければ、事故の教訓は生かされない。

アンケートは神奈川新聞など地方紙14紙が紙面や無料通信アプリ「LINE」などを使って2月8日~17日に実施し、47都道府県の6248人が回答。記事は西日本新聞がまとめた。


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