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追う!マイ・カナガワ
種類いっぱい「子ども110番」なぜ? 小学生と調べてみた

社会 | 神奈川新聞 | 2021年2月24日(水) 05:30

 「子ども110番の家のマークの種類が街中にいろいろあります。いざという時に分からなくなりそうです。小さい子でも分かるように、全部同じにできないでしょうか?」。

 横浜市港北区の小学6年のあやさんから「追う! マイ・カナガワ」取材班に疑問が届いた。

 子ども110番の家は、何かあったときに駆け込める安心を与える場所のはず。子どもたちの不安の払拭(ふっしょく)につなげようと、取材班はあやさんと一緒に実態を追うことにした。

 


 あやさんがマークの多さに気付いたきっかけは、2019年5月に川崎市多摩区で通学中の児童らが男に襲われ、20人が殺傷された事件だった。

 事件を知り、父親と一緒に近所で危険な場所や、いざという時に逃げる場所を確かめていて気になったのだという。

 神奈川県警のマスコット「ピーガルくん」(写真【1】)や企業キャラクター入り(【2】)、手をデザインしたもの(【3】)。あやさんが連日送ってくれた写真を見て、取材班も問題を認識した。

妹のためにも

 「保育園に通う妹は今後、小学校に入学します。その時までに、何とかしたいです」。

 取材班は県警や、あやさんが住む港北区などに状況を尋ねた。

 県警によると、県内の子ども110番の家は約10万7千カ所。うち一般住宅が約5万8千カ所、コンビニなど店舗が約4万5千カ所で、保育園やスイミングクラブなどもある。

 肝心のマークについては「各団体のボランティアの取り組みなので県警が逐一把握している訳ではなく、何種類あるかは分からない」と担当者も言う。

 子ども110番の家は、岐阜県内で児童が殺害された事件が契機となり、地域で子どもの見守りを強化しようと同県可児市で1996年3月に設置されたのが始まり。

 その活動が全国で拡大し、県内では97年、湯河原町で初設置。町によると、同年の神戸連続児童殺傷事件を受け、地域防犯が町議会で取り上げられたことがきっかけとなった。

統一したが…

 港北区によると区内では99年から自然派生したが、マークがばらばらだと分かりづらいとして、各小学校PTAなどが統一デザイン(【4】)を作成。区内約3千カ所の民家などに掲示している。

 だが、企業が社会的責任(CSR)活動として実施するケースは別で、区内全体の音頭取りはいない。そのため子どもにとって身近な場所でマークの混在が続いている。

 例えば2008年から始めた横浜銀行は他の地方銀行の事例を踏まえ、県警のキャラクターをデザイン(【5】)。ほかにもコンビニ(【6】)や学習塾(【7】)、不動産店(【8】)など、さまざまだ。

 これを統一できないのか。「県警が管理するものでもなく、ボランティアと管理は相反するそぐわない概念なので」と県警の担当者は言う。それが正論なのだろうが、取りまとめ役がいないままで運用が続いた結果、このような状況となってしまったようだ。

 取材を進めるうち、ほかにも気になることが出てきた。

 110番の家となる際、県警としては審査や登録は行っていないという点だ。安全性はどれほど担保されているのだろう。

安全確保へどう活用

 
 

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