2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく10年。震災の記憶と教訓を次世代に継承しようと、地方紙29紙が連携した協働企画「#311jp」の呼び掛けに、全国から多くの心に残るエピソードが寄せられた。未曽有の大震災がもたらした大きな被害をきっかけに再認識した命の重さ、支えてくれた人への感謝の思い…。企画に参加した神奈川新聞社の「追う! マイ・カナガワ」取材班にも、県内各地から多くの体験談が届いた。
「こんなに人の温かさが心にしみたことはありません」。震災当日、生後2カ月の長女と自宅で不安な夜を過ごしていた公務員以西千春さん(42)=横浜市都筑区=は、心配した近所の女性からのおにぎりの差し入れに救われた。
横浜市鶴見区の茅根カヨさん(54)は、携帯電話が通じなくなり公衆電話を利用した経験から、震災当日に集めた10円玉を「あの日を忘れないように」と今も大切に保管する。
特集面では、手術中に地震が起きた医師荻野弓希子さん(47)=相模原市中央区=と、福島県内の中学校で被災した後、横浜に移り住んだ教諭木村貴士さん(45)に、次世代に伝えたい思いをインタビュー。津波で流された車に「明けない夜はない」とペンを走らせた宮城県の男性や、混乱した中で家族との再会に安堵(あんど)した女性ら、県内や東北から寄せられた声を紹介する。(蓮見 朱加)
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