
逗子市池子で斜面が崩落し、市内在住の県立高校3年の女子生徒=当時(18)=が死亡した事故から5日で1年。事故に心を痛めた地元の学生は地域を歩きながら啓発に向けて動き、行政も通学路沿いなどの斜面の危険を調べ、所有者の対策に結びつけようとしている。
「事故は、決して人ごとではない。女子生徒の命を忘れない」という思いを胸に、二度と尊い命が失われないため、それぞれが安全への道を考え続けている。
「事故も災害もどこか遠い話だった。でも地元の事故をきっかけに、身近な場所で起きる自分たちの問題だと気付いた」。
事故後、地域防災を学び発信するプロジェクトを立ち上げた聖和学院中学・高校(同市久木)。参加する15人の生徒は、そう口をそろえる。
逗子の事故などをきっかけに防災に関心を持った生徒が集まり、昨年6月に栢本さゆり教諭(29)の呼び掛けで始動した。高校2年久保田莉央さん(17)は、自宅が現場から徒歩数分の距離。見慣れた道での悲劇に衝撃を受け「家や学校の近くは斜面が多い。何か起きた時、誰かの命を救えるようにできることを考えたい」と参加した。
同世代への波及課題
逗子斜面崩落1年(上)女子生徒の死「人ごとではない」
「同世代の生徒が亡くなった事故は自分たちの問題」と話す聖和学院の生徒ら=逗子市久木 [写真番号:501281]
斜面を調査する3・11つなぐっぺしのメンバーたち(服部さん提供) [写真番号:501282]