今国会で審議入りし、3日にも成立する見通しとなった「新型インフルエンザ等対策特別措置法などの関連法案」(1月22日閣議決定)。その中でも新設される「まん延防止等重点措置」は、緊急事態宣言前にもかかわらず、強制力を伴う権利制限が盛り込まれる危険性が指摘されている。
緊急事態法制に詳しい金塚彩乃弁護士は警鐘を鳴らす。「本質は私たちの自由と権利の侵害。たやすく許してはならない」と─。

「法体系を無視し、整理されないまま突如として登場した印象が強い」。金塚弁護士は「まん延防止等重点措置」について、そう指摘する。
新型インフルエンザ特措法を流用する形で急場しのぎの改正が行われ、緊急事態宣言が発令されたのは昨年4月7日のこと。それからおよそ9カ月余り。感染症対策の関連法整備を抜本的に見直すことなく、再び急場しのぎの改正をしようとしている。
金塚弁護士が警戒を強めているのは、まん延防止等重点措置が強制力を伴うにもかかわらず「ほぼ全て、首相と知事に丸投げされている」からだ。