「コロナ陽性者と近距離で接しましたが、検査を受けられず不安です」「コロナ予防は施設任せで、何かあったら運営中止。中止したからといって補償もありません」─。
新型コロナウイルスを巡って神奈川県内の複数のデイサービス関係者から、「追う! マイ・カナガワ」取材班に悲痛な声が寄せられている。
1月7日の緊急事態宣言発出に際し県は、介護施設などに感染予防策を講じた上で事業継続するよう要請したが、現場の負担は限界に達している。
『臨機応変に対応』
「今年の節分は、124年ぶりに2月2日みたいですね」
県央地域のデイサービス施設を訪れると、利用者約10人がテーブルを囲み、テレビを見て談笑していた。
いずれもマスクを着用し、テーブルには飛沫(ひまつ)防止パネル。換気扇が回り、利用者が集まる部屋に3枚ある窓は、気温に応じて開ける枚数を変えている。
新型コロナ感染防止で「密」を避けるために入浴回数を半減するなど、職員の安全確保も模索している。
一方で、管理者の男性は日々頭を抱える。「県や国は指針を示しているが『臨機応変に対応』など施設側の裁量が大きく、結局は全部施設任せ。でも感染者が出れば悪者扱いされる。どうしたらいいのかというのが正直なところですよ」
対応手順も示さず
行政はすべて丸投げ… コロナ禍のデイサービス「もう限界」
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緊急事態宣言下で開所を継続する県内のデイサービス [写真番号:496434]
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新型コロナ対策で購入した紙コップやうがい薬などが並ぶ、デイサービスの洗面所 [写真番号:496435]