新型コロナウイルスの感染拡大で市中感染の疫学調査を簡略化した県の動きを巡り、市民の不安が高まっている。「濃厚接触者はどう特定するのか」「検査はどこで受けられるのか」…。限界が近づく保健所の業務を民間が肩代わりするケースも出始めており、感染リスクを見極める検査の在り方が問われている。
「行動記録は」「消毒方法は」。
感染者の勤務先を訪れた茅ケ崎市保健所の保健師が、質問を重ねる。現場を直接見て回ることで、狭い更衣室や使用期限切れの消毒液など、感染経路と予想される「穴」を次々とあぶり出していく。
隣でペンを走らせるのは市の事務職員。現場の写真と建物の見取り図をまとめたA3判の資料はフロア数に応じて増える。職員や施設利用者の名簿などをまとめて所長に報告し、集団PCR検査を実施するか否か判断する。移動時間も含め、一つの事案で6時間ほどかかることもある。
感染者、累計千人に
市中調査簡略化「検査どこで」 PCRキット自販機には列
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仁厚会病院の敷地内に設けられたPCR検査スペース=厚木市 [写真番号:488854]
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検査ラボでPCR検査を行うメレコム社員ら(同社提供) [写真番号:488856]
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メレコムが検査ラボで行うPCR検査(同社提供) [写真番号:488864]
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通行人の注目を集めるPCR検査キット自動販売機=21日、横浜市内 [写真番号:488858]