新聞労連は19日、平和・民主主義の発展や人権擁護に貢献した記事を表彰する第25回新聞労連ジャーナリズム大賞の授賞式を都内で行った。神奈川新聞の石橋学記者による「時代の正体・差別のないまちへ」など、一連のヘイトスピーチに抗(あらが)う記事を含む9点に大賞や優秀賞、特別賞などを授与した。
大賞には、子どもへの性暴力問題を報じた朝日新聞と、京都アニメーション放火殺人を追った京都新聞の報道が選ばれた。
石橋記者は、特別賞を受賞。選考委員でフォトジャーナリストの安田菜津紀さんは、「差別やヘイトクライム(差別に基づく犯罪)は、声を上げたら攻撃を受けるのではないかと当事者を黙らせるところに被害の深さがある。だからこそ、伝え手が置き去りにされがちな声に軸足を置いていかなければならないと感じた」と評価した。
授賞式で石橋記者は、「報道は公平・公正でなければならないといわれるが、差別に中立などない。虐げられている側に立ち、その声を大きく伝え、広げる報道をしてこそ、公平・公正が果たせる」とし、受賞を通して「差別を一方的に厳しく非難する記事を書いてもいいのだという仲間が増えることを願う」と話した。