
国内初の新型コロナウイルス感染者が神奈川県内で確認されてから、15日で1年が過ぎた。首都圏を中心に感染者は30万人超に膨らみ、4千人以上が命を落とした。各地で医療現場が逼迫(ひっぱく)する中、神奈川は民間病院を含む受け皿の再整備が急務だ。病院の病床総数は約7万3千床で、人口10万人比で全国最少。このうちコロナ病床は2%台にとどまり、県は「患者の搬送調整が困難を極めている。災害に等しい状況だ」と危機感を示す。

厚生労働省の2019年調査によると、県内の人口10万人当たりの病院病床数は804床で、47都道府県で最少。このうちコロナ病床はわずか2・6%で、東京都の4・7%を大きく下回っている状況だ。
限られた病床数に対し、増加の一途をたどる感染者数。即応病床の利用率は昨年12月30日に重症者向けが70%台に達し、今月5日に90%を超えた。15日には中等症・軽症で89%、重症は94%に達している。
患者搬送にも影響
コロナ感染確認から1年 神奈川、浮き彫りになる病床不足
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新型コロナ 県内の即応病床利用率(15日現在) [写真番号:480122]