神奈川県内の新型コロナウイルス感染者が累計3万人を超えた。感染者の急増に伴い医療現場の逼迫(ひっぱく)具合は深刻さを増す一方だ。現状分析や喫緊の課題について、県医療危機対策統括官(藤沢市民病院副院長)の阿南英明(あなん・ひであき)氏に聞いた。

─県内の累計感染者数が3万人に達した。現状をどのように捉えているか。
「今まで体制を構築して入院、療養と何とか収めてきたが、待ち患者さんが発生してきて相当に厳しい。一番心配するのは急病、急変する方、療養中に悪化する方。これまではぎりぎりでやってきたが、これからはそういう急に悪化する人の受け皿としての医療機関がなくなってしまうということが起き得る。これが現実のものとなってくる。非常に危機感を覚えている」
─感染者の増加傾向に歯止めが掛からない。なぜか。
コロナ感染拡大、なぜ止まらない? 県の対策統括官に聞く
インタビューに答える阿南英明・県医療危機対策統括官=県庁 [写真番号:480119]
緊急事態宣言の再発令を受け、県民に外出自粛を要請する黒岩祐治知事=ことし1月7日午後、県庁 [写真番号:480176]
集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に、防護服を身にまとい、乗船する関係者=2020年2月7日、横浜港・大黒ふ頭 [写真番号:480165]
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した乗客を乗せたバス=20年2月19日午後1時半ごろ、横浜港・大黒ふ頭 [写真番号:480166]
感染防止のため、県内の海水浴場は昨夏、全て閉鎖された。由比ケ浜海岸(鎌倉市)の人出は例年の3割程度だったという [写真番号:480171]
店舗入り口に設置された噴霧器に消毒液をつぎ足す横浜高島屋のスタッフ。入店時には検温と手指消毒が日常風景になった [写真番号:480172]
各テーブルに消毒液を置くなど、飲食店は感染対策に頭を悩ませている=ことし1月3日、横浜市西区 [写真番号:480175]
感染が急拡大し、人通りも少ないJR川崎駅東口の仲見世通り=ことし1月3日午後6時半ごろ、川崎市川崎区 [写真番号:480174]
緊急事態宣言の再発令が決まり、帰宅ラッシュの時間帯も人影がまばらな横浜駅東口=ことし1月7日 [写真番号:480177]
店の帳簿に向き合い、先行きの見えない状況に頭を抱える居酒屋の男性店主 [写真番号:480179]
「成人の日」の1月11日、横浜アリーナ(港北区)とパシフィコ横浜ノース(西区)に会場を分けて開催された横浜市の成人式。横浜アリーナでは、感染防止対策で間隔を空け、席は中央のスクリーンを囲むように配置された [写真番号:480180]