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追う!マイ・カナガワ
横浜から見える「富士山」反響 心のよりどころは変わらない

社会 | 神奈川新聞 | 2021年1月6日(水) 05:00

【1】鶴見区からの富士山

 横浜の大さん橋から見える富士山を追った元日付の「追う! マイ・カナガワ」(マイカナ)の記事に、読者からLINE(ライン)を通じて多くの反響が寄せられた。県内のあちこちから見えたり、見えなくなったりする富士山。高層ビルが建ち並び街の景色が変わっても、富士を見つめる気持ちは昔も今も変わらない。

富士山はもう見えないのか(上)横浜自慢の風景、今は昔?

 マイカナの記事では、都市開発が進み、大さん橋から見えていた大きな富士山が「見えなくなってしまったので残念」と寄せられた横浜市西区の女性の声をもとに取材班が取材した。

 その結果、大さん橋の先端からまだ富士が見えることが判明したが、かつてのような雄大な富士ではなく、ビルの谷間から頭が少しだけ見えるものだった。

 厚木市に住む60代の女性は「この辺りでもビルや倉庫が建ち、その隙間から富士山を見るようになりましたが、その一瞬でも一目富士山を見るとラッキーな気分になります」と感想を寄せた。女性は子育て中、県西部から見える雄大な富士山に励まされていたことを思い出したという。夫婦二人となった今も、散歩コースで富士を眺めて心を癒やしている。

お気に入り

 横浜市鶴見区の50代の女性は「早朝の朝日に輝く眺め、夕暮れの紫に染まる様子は素晴らしいの一言」と投稿。自宅のベランダから今年の元旦に撮影した富士山の写真【1】をマイカナ取材班に送ってくれた。

【1】鶴見区からの富士山
【2】三渓園からの富士山

 ほかにも、「三渓園(同市中区)から見事な富士が見えます」【2】という投稿や、「富士見台、富士見ケ丘など、富士山が昔はキレイに見えていた地名がありますね」(藤沢市の女性)。「横浜駅のJR横浜タワー・うみそらデッキ(同市西区)からも富士山が見えます」(平塚市の50代女性・【3】)など、読者のお気に入りの富士見スポットも寄せられた。

【3】うみぞらデッキからの富士山

 一方で、都心部の開発で失われつつある富士山の原風景に心を寄せる投稿も相次いだ。

 「だんだんと景色が変わってしまい寂しい。上の方だけでなくもっと全体的に見えたらいいのに。(富士山は)私たちを守ってくれてるのだから」(同市緑区の50代女性)。「横浜生まれの私にとっても大変残念。都市開発にあたって、住民の声をどの程度聴取したのでしょうか」(海老名市の男性)。

市民も見たい 

 記事では、普段は市民が入ることができない横浜市役所の31階レセプションルームから見える富士山も紹介。同市磯子区の女性は「市民も見たい! 見せてー!と言い続ければ伝わることもあるのではと思いました。富士山を見ることが市の利益に繋がるような、素敵なアイデアがあるといいですね」と意見が寄せられた。

 最初にリクエストを投稿した女性は「都市開発が進むみなとみらいの景観も華やかで素敵だけれど、富士が大きく見えたころの横浜臨海部の原風景も大切にしてほしい」と感想を寄せた。

取材班から

 大さん橋の風景に愛着のある地元の人や、横浜市、富士山の専門家、相撲部屋まで、都市と人と富士山の関係をとことん追い掛けた年末だった。多くの人の心のよりどころになる景観が街から失われないよう、百年後の市民も満足できるまちづくりの在り方をこれからも考えていきたい。
(蓮見 朱加)

 神奈川新聞社は2021年1月、暮らしの疑問から地域の困り事、行政・企業の不正まで、無料通信アプリLINEで読者から寄せられた取材リクエストに幅広く応える新企画「追う! マイ・カナガワ」(略称・マイカナ)を始めました。皆さんの「知りたい」をスタートラインとする新しい報道スタイルです。LINEアカウントに、ぜひ情報をお寄せください。

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