
コロナ禍で失業後、支援団体との唯一の連絡手段だった携帯電話の充電がなくなりかけ、休業中だった横浜市中区のネットカフェに侵入した罪で6月に罰金刑を受けた元ホームレス男性(41)が取材に応じた。10年ぶりに住所を定め、定職探しを始めていた。「コロナが転機になった。人生をやり直したい」と更生を誓う。
同区寿町の簡易宿泊所。窓辺に干した布団は、日だまりのぬくもりと心地よい匂いに満ちていた。「幸せって、こういうことか」。取り込みながら、男性はほほ笑んだ。
留置場から6月に釈放された当日、地元の寿支援者交流会の協力で生活保護を申請し、1泊2200円のこの部屋も見つけた。布団で就寝するのは4年ぶりだ。
4月。ネットカフェに侵入し、伊勢佐木署に現行犯逮捕された。「弁明のしようもありませんが」。男性は反省しながら、当時を振り返った。