重症者利用率は3割超

新型コロナウイルスの感染者急増を受けて県が医療機関に受け入れ病床の拡大を要請する「医療アラート」を発動してから28日で2週間となる。アラートでは2週間後に450床増やして1100床を確保するよう求めているが、確保数は700床台にとどまっており、目標数を確保できない見通し。直近の重症者利用率は30%を超えており、医療現場の逼迫(ひっぱく)に関係者は危機感を強めている。
県は14日に医療アラートを発動。コロナ患者が直ちに利用できる即応病床の拡大を、県独自の医療体制「神奈川モデル」に認定する101医療機関に要請した。ただ、感染者の急増でコロナの診療と通常の医療との両立が難しくなっており、病床拡大が思うように進んでいないのが現状だ。
県によると、県内全体の最大確保病床は1939床(重症200床、中等症1739床)あるが、26日現在の即応病床は763床。県の担当者は「医療機関に対し個別に病床拡大をお願いしているが、目標の1100床に届くのは難しい」との見通しを示す。
26日の新規感染者数は254人で過去最多を更新するなど、増加傾向に歯止めがかからない。重症化しやすい高齢者の感染も増えており、深刻さを増しているのが重症者の病床利用率だ。26日時点の重症者は64人で、最大確保病床に対する利用率は32・0%と初めて30%を超えた。