「男は男らしく」「定年退職まで正社員勤めが当たり前」。世の男性たちが抱くこともある「生きづらさ」から抜け出す道は─。19日の国際男性デーに合わせ、「男性学」の第一人者、大正大学(東京都豊島区)の田中俊之准教授(45)に、男女の記者がそれぞれの視点から聞いた。(清水嘉寬、蓮見朱加)
当事者意識を

蓮見 近年、国際女性デーがメディアに取り上げられ知名度が高まっていますが、国際男性デーはまだあまり認知されていないと感じます。
田中 #MeToo以来、女性が男性に迷惑を掛けられているという課題が世に知れ渡った。それに対して男性がどうリアクションするか。順番が男性に巡ってきている。
女性が抱える問題を解決するには、男性も当事者として考えることが不可欠。国際男性デーが男性の生き方について見直すきっかけになればいい。NHKのジェンダー特集でも初回のテーマは「男らしさ」の問題だった。今はまだマイナーだが、メディアを介して徐々に広がっていくだろう。
清水 男性が生きづらさを感じる原因は何でしょうか。記者自身も自問自答してみたが、その正体を突き止められませんでした。