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分身ロボ「オリヒメ」平塚で接客 山陰の障害者が遠隔操作

社会 | 神奈川新聞 | 2020年11月13日(金) 11:08

島根県に住む障害者が遠隔操作で接客するロボットの「OriHime」=平塚市の福祉ショップ「ありがとう」

 外出困難な重度障害者の就労の場を広げようと、神奈川県は分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を遠隔操作し、障害者に接客業務をしてもらう検証実験を始めた。平塚市内の障害者の手作り商品を販売する福祉ショップ「ありがとう」(同市役所1階)にも10月からロボット店員が配属。山陰地方から遠隔操作する障害者は「外で仕事をする接客業が自分にできるなんて」と働きがいを口にする。県によると自治体での就労実験は全国初とみられ、七夕の街で“織り姫”が新たな雇用の形を模索している。

身ぶり手ぶり

 「こんにちは。平塚には初めて来ました。今日から『(ともに生きる社会)かながわ憲章』の紹介などをしていきます」

 10月26日午後、初めて店頭に立ったオリヒメは早速、接客を開始。雑談を交わしながらロボットの頭がうなずいたり、手を挙げてあいさつしたり…。人間らしい身ぶり手ぶりを交える。

 同ショップでの試行期間は1カ月程度の見込みで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者ら4人が日替わりで接客。当面は午後1時半から1時間の業務時間で県の共生社会の政策の紹介やグッズ販売を担う。

 オリヒメと話した市内の女性(51)は「初めてで楽しかった。これからはこういうロボットが活躍するようになるのかも」と興味津々。同ショップ運営協議会の髙橋眞木会長も「頼もしい。お店の雰囲気も変わるし、何よりもロマンを感じる」と新戦力を歓迎する。

仕事なく絶望

 この日、オリヒメを操作していたのは、700キロ以上離れた島根県に住む三好史子さん(26)。次第に筋力が衰えていく脊髄性筋萎縮症(SMA)の患者で車いすに乗り、一人での外出も困難がつきまとう。「仕事を探しても障害者には選択肢が狭すぎる。通勤するにも介護が必要で、仕事がなくて絶望していた」

 2018年、オリヒメを開発した「オリィ研究所」(東京都)が期間限定で開催した社会実験に参加。自宅のパソコンからオンラインでロボットを操作し、カフェの店員を務め、その後もオリヒメを通じ各地で勤務を続ける。

 オリヒメはマイクとスピーカーを内蔵し、カメラを通じて相手の顔を見ることができる。顔や腕も操作して意思表示ができるため「テレビ電話と違い、身体がその場にあってコミュニケーションしやすい。あちこちに行けて、まるで『どこでもドア』みたい」と三好さんは希望を見いだす。

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