新型コロナウイルスの感染拡大を受けて運航を休止しているクルーズ船各社が11月、国内クルーズを再開する。ウィズコロナ時代の安全確保に向け、クルーズ船と旅客ターミナルはどう連携すべきか。各業界団体のガイドライン策定に有識者として関わった観光レジリエンス研究所(千葉県印西市)の高松正人代表(62)にポイントを聞いた。

─ガイドラインで重視した点は。
クルーズ業界は、宿泊施設に比べ多岐にわたる事業者が関わっている。船会社だけでなく横浜港や神戸港などの港湾管理者、その先には地域の人たちもいる。クルーズ船の中やターミナルの中にも、さまざまな物販事業者がいる。ガイドラインはそうした人たち全般に目配りしなければならない。あるところが抜け落ちてしまうと、そこが穴になって実効性が損なわれてしまう。とはいえ、あまり厳しく対策を求めると、ついていけないということになりかねない。クルーズの場合は、そのバランスや整理が最も難しかった。
─クルーズ船「飛鳥Ⅱ」のトライアル航海に乗船した感想は。
「ターミナルで感染対策を」 有識者に聞く
「乗っていて安心感を覚えた」とクルーズ船の運航再開に向けた展望を語る高松さん=10月20日、クルーズ船「飛鳥Ⅱ」 [写真番号:398036]