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新型コロナ
100年前のスペイン風邪 横浜貿易新報はどう報じたか

社会 | 神奈川新聞 | 2020年9月27日(日) 11:00

 1世紀を経て、再びその名を知らしめたスペイン風邪。当時の報道をひもとき、コロナ禍を乗り越えるヒントを探った。

スペイン風邪が流行し、マスク着用を呼び掛けるポスター。当時の内務省衛生局が作成したとみられる(国立保健医療科学院図書館所蔵、内務省衛生局著「流行性感冒」1922.3)

感染状況、予防策…
コロナと類似点

 人が多く集まる場でのまん延、船内で集団感染、マスクの値上がりや学校でのマスク作り、飲食店などへの打撃─。これらは、いまだ収束の気配をみせない新型コロナウイルスについて伝えるニュースではない。約100年前、世界で猛威を振るった「スペイン風邪」について報じた神奈川新聞の前身「横浜貿易新報」の紙面に登場したものだ。当時の記事を読み進めると、予防策など二つの災禍に多くの類似点が浮かび上がる。

 1918(大正7)年の横浜貿易新報を「流行、感冒」といったキーワードでたどっていくと、10月下旬からスペイン風邪関連の報道が目立ち始める。横浜の小学校で患者が約300人出て休校、と報じたのは10月24日。翌日には〈恐怖すべき悪性感冒〉として世界で日々数千人が死亡、と深刻さを伝えている。

 続いて26日には、〈今度の悪性感冒は到底防ぎ切れぬ〉との見出しで、〈有史以来の現象〉と表現。会話した際に患者から出るつばの飛沫(ひまつ)からの伝染が多いとし、予防するには〈口や鼻を布片で覆ふ〉〈1日数回含嗽(うがい)を行ふのが一番よい〉と説いた。今と全く変わらない予防法が奨励されている。

 県内は小田原の二千数百人を始まりとして全域で流行し、学校や工場、会社など多くの人が集まる場でまん延。県庁では各課で3~4人が欠勤し、文書課にいたっては他部署からの応援を受けて〈辛(かろ)ふじて事務を執つて居る〉と行政への影響も報じられた。

 この日は、軍用船として米国に貸し出され、ニューヨークに入港した貨客船「静洋丸」が、乗組員の多くが罹患(りかん)したために港で立ち往生したことも伝えた。国境を越えて大勢が出入りする港で感染者が多数確認されるのは、横浜港に長らくとどまったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」内の感染拡大をほうふつとさせる。

政府の不作為に疑問

 1世紀前の流行当時、国内では「流行性感冒」と呼ばれたスペイン風邪。東京都健康安全研究センターの分析によると、1回目の流行は1918年11月、2回目は20年1月末にピークを迎えた。

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