今月末のハロウィーンを盛り上げようと、京急線横須賀中央駅周辺にある銅像4体が、ミイラ男やフランケンシュタインなどの姿に「仮装」を施されている。しかし、いたずらなどで「衣装」を剝がされたり、落書きと勘違いされたりするケースが相次いでいる。銅像の仮装を制作した横須賀市内在住の画家・田ノ岡高志さん(37)は「飲食店が多い地域だから、(酔客などによる)いたずらは覚悟はしていた。でも、これ以上、壊さないでほしい」と呼びかけている。
戦後ジャズ発祥の地とされる同市。楽器を手にしたジャズマンの銅像は、同駅前と中央大通りに7体あり、駅周辺のシンボルとなっている。今回の仮装は、周辺商店街の30~40代の店主でつくる団体「ヨコスカダウンタウンクラブ」が、22日に開催するイベント「ヨコスカハロウィンフェスティバル」のために企画した。
仮装作業は9月25、26日に行われ、田ノ岡さんが銅像を傷つけないように梱包用のラップを巻き、筆やはけで塗料を塗って仕上げた。隣にイベントを告知するポスターも置いた。
しかし、田ノ岡さんによると、作業中も落書きしていると勘違いされ、警察に通報されることもあったという。完成後は酔っ払った外国人らに少なくとも3回は剝がされたといい、田ノ岡さんは「これほどのペースとは」と嘆く。修繕が追い付かなく、オオカミ男の仮装は全て撤去したという。
ただ地域の盛り上がりに一役買いたいという田ノ岡さんは「イベントが近づいたら、また仮装させたい」と話している。(山元 信之)
横須賀のハロウィーン仮装銅像、いたずら相次ぐ 作者「壊さないで」
ミイラ男の顔の一部の塗料などがはがされた銅像=10月2日、横須賀市 [写真番号:1192374]
ミイラ男の仮装がはがされる前の銅像=9月26日、横須賀市 [写真番号:1192375]
フランケンシュタインの仮装に装飾された銅像=横須賀市 [写真番号:1192376]