
神奈川県警は1~8月に認知した特殊詐欺の統計(暫定値)で、累計被害額が前年同期比約16・6%増の約27億2700万円に達したと発表した。件数も13・3%増の1338件で、高止まりが続いている。県警によると、年末にかけて被害が増加する傾向にあるといい、「危惧すべき状態。抑止と摘発の両輪で対策強化に努める」としている。
親族などを装う「おれおれ詐欺」の被害額は、約16・5%増の約13億7500万円で、被害額全体の38・6%を占め最多だった。
だましの文言は変遷している。妊娠させた相手への示談金などと称して現金をだまし取る「妊娠トラブル」は前年同期比約2・3倍の93件だった。件数は3月の21件をピークに減少しつつある。8月は5件だった。「かばんをなくした」と偽ってだまし取るケースは同約1・2倍の239件。このうち約半数が5月以降に発生、うち8月は39件で、手口が「妊娠トラブル」から「かばんをなくした」へと移り変わっている動向が見て取れる。
県警の担当者は「組織は情勢を見ながらだましの文言を変えている。不審に思ったらすぐ身内に確認したり、警察に相談したりしてほしい」と呼びかける。
2番目に多い手口は
「妊娠トラブル」→「かばんなくした」 特殊詐欺、変わるだまし文句
神奈川県警本部 [写真番号:1188947]
神奈川県内の特殊詐欺の被害額の推移 [写真番号:1188948]