県内初開催となった「ぼうさいこくたい2023」は18日、2日間のプログラムを終えて閉幕した。次代を担う若者が体験や思いを発表し、教訓を継承しつつ備えの輪を広げていくと誓った。
「身近な多摩川が氾濫するとは思わなかった。現場を見て、なぜ水害が起きたのか疑問に感じた」。広尾学園高校3年の長本吏央さん(17)=横浜市青葉区=はこの日、中学2年だった2019年に襲来した台風19号(東日本台風)の浸水状況や対策に関する研究成果を報告した。
学びを深める中で、「流域治水には上流域の森林整備が不可欠」と考え、参加してもきた。「若い世代が防災の担い手になれるようにしたい」と目標を語り、注目を浴びた。
クロージングセッションには、県内外の大学生が登壇。「学びの成果を伝えたい」「防災に取り組む全国の学生団体をつなぎたい」と今後を見据えた。次回開催地の熊本県からPRキャラクター「くまモン」が登場し、会場を沸かせた。
(渡辺 渉)
災害の教訓継承や備え若者誓う 「ぼうさいこくたい」閉幕
東日本台風時の多摩川流域の状況について報告する長本さん=18日、横浜国立大 [写真番号:1188863]
クロージングセッションに登場し、会場を沸かせたくまモン。来年の「ぼうさいこくたい」は熊本県で開催される=18日、横浜国立大 [写真番号:1188867]
「ぼうさいこくたい」の閉幕に際し、今後の抱負を述べる学生ら=18日、横浜国立大 [写真番号:1188868]