
横浜市内の夫婦1万組を対象にした横浜市立大学の大規模調査で、心身の健康や幸福を意味する「Well-being(ウェルビーイング)」は、フルタイム勤務の妻の場合、家事時間が長くなるにつれて下がる傾向が見られたことが明らかになった。調査は2022~26年度に同じ世帯に対して継続して実施し、都市部での少子化の要因や社会情勢などの変化による影響を探る。
「ハマスタディ」と題した本調査は、同大学大学院国際マネジメント研究科の原広司准教授らの研究グループが実施。市内の子育て世代の夫婦1万組を対象に、5年間継続して調査する。共働き世帯が多く、通勤時間が長いなどの特徴を持つ都市部での課題を明らかにし、他都市でも成果を役立ててもらうことを目指す。
初年度は、60問程度のアンケートを送付。3272世帯から5458件の回答を得た。12日に報告された初年度の調査結果では、フルタイムで働く妻の家事時間は子どもの出生後に0・4~0・7時間増加して2・2~2・5時間となり、労働時間は0・3~0・5時間減少。一方、夫の家事や労働時間に変化はなく、家事時間の増加分は妻が労働時間を削って生み出していることが示唆された。育児時間については、妻が夫の約2倍の時間を費やしていた。