
横浜を拠点にデザインを通した街づくりや地域活性に尽力し、本紙題字を手掛けたグラフィックデザイナーの中川憲造(なかがわ・けんぞう)さんが20日午後3時1分、多臓器不全のため横浜市内の病院で死去した。72歳。自宅は横浜市青葉区。葬儀は親族のみで行った。喪主は妻の久実子(くみこ)さん。近くお別れの会を開く予定。
1947年大阪市生まれ。高島屋宣伝部、日本デザインセンターを経て、デザインを生活者の視点で企画制作する会社「NDCグラフィックス」(横浜市中区)を94年に設立。代表兼デザインディレクターとして国土交通省制定の公共ピクトグラム、横浜市中心街の地図、横浜国際総合競技場のシンボルマークなど多岐にわたるデザインを手掛ける一方、横浜グッズなどの商品開発にも関わった。2006年元日から採用されている「神奈川新聞」の題字も手掛けた。
04年のみなとみらい線開通を機に登場した水玉模様の犬のキャラクター「ブルーダル」の生みの親としても知られる。神奈川フィルハーモニー管弦楽団のデザインアドバイザーとして、ブルーダルをモチーフにしたポスターやグッズ制作にも協力。地域の文化振興にも精力的に取り組んだ。18年、横浜文化賞を受賞。
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神奈川フィルハーモニー管弦楽団理事長・上野孝さんの話 ブルーダルの生みの親として広く横浜の文化芸術活動に貢献されました。神奈川フィルではデザインアドバイザーとして「ブルーダル基金」をはじめ、さまざまな側面から支援を賜り、驚きと悲しみに堪えません。