
衆院議員を8期務め、運輸相や社民党幹事長を歴任した伊藤茂(いとう・しげる)氏が11日、病気のため死去した。88歳。山形県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行った。喪主は長男進(すすむ)氏。
陸軍士官学校卒業後に終戦を迎えた。東大経済学部を卒業後、旧社会党本部書記局に入り、1976年に旧神奈川1区から衆院議員に初当選。政審会長、副委員長を経て、93年に政権交代した細川連立内閣の運輸相を務めた。
96年からの橋本政権を与党として支え、自民、さきがけ両党との調整役を担った。土井たか子党首の下で幹事長に就任し、衆院選惨敗を受けた党再生に取り組んだ。2000年の衆院選に出馬せず、政界を引退した。
評伝:「四人衆」最後の一人
「革新の地」とも評された神奈川県で、その中核を担った旧社会党「四人衆」の最後の一人が逝った。中選挙区時代の順に名を挙げる。旧衆院1区・伊藤茂、2区・岩垂寿喜男、3区・加藤万吉、4区・大出俊。記憶に残る政治家だ。