
自閉症など発達障害のある子どもたちの療育支援に取り組む高橋嘉誉さん(46)=横須賀市長沢=が3月4日、発達障害児の保護者の交流会を市内で開く。4回目となる今回は、新たな試みとしてインターネット中継を通して、親交のある熊本のNPO法人の代表も参加。距離の壁を療育支援と重ね合わせ、「発想を変えれば、いろいろな障害は乗り越えられる」と思いを込める。
高橋さんは、自閉症と知的障害のある長女を持つ。市内の特別支援学校に通わせるため、2010年に横浜市から移住。同年、自身が力を入れてきた家庭での療育の経験を地域に還元しようと、自宅を開放し、発達障害の子どもたちを個別指導する「トータスキッズ」を立ち上げた。
靴下のはき方や箸の持ち方など日常生活の動作を徐々にレベルアップして教え、子どもたちの可能性を引き出すことを目的とする。ゆっくりでも前に進んでいく姿に「障害が治ることはないけれど、今よりハッピーになれる方法があると知ってほしい」と話す。
「子どもの元気は、親の笑顔から」との思いから、保護者が話し合う交流会を積極的に開催。「周囲へのカミングアウト」「余暇の過ごし方」などテーマに添って話し合い、「刺激が得られた」「モヤモヤが吹っ飛んだ」などの感想が寄せられるという。
3月4日の交流会では、発達障害の子どもたちを支援するNPO法人「トリニティ」(熊本県)の代表が、家庭療育についての講座を担当。トータスキッズが熊本地震の復興支援イベントを行った恩返しの意味も込めて参加する。
「地方とのネットワークをつなげられれば」と高橋さん。「何事も『無理』と思うのではなく、『こうしたらできる』と考えられる社会をつくっていきたい」
交流会は、横須賀市長沢の北下浦コミュニティセンターで午後1時半から。問い合わせは、高橋さん電話080(5694)7369。