
手塚治虫さんの漫画「鉄腕アトム」をモデルに人工知能(AI)を活用したコミュニケーションロボットの実現を目指すプロジェクトが今月から始動した。その名も「ATOMプロジェクト」。2018年が手塚さんの生誕90周年に当たる記念で講談社が主導し、全5社が参画。県内からは本体に搭載するAIの開発などで富士ソフト(横浜市中区)が加わる。22日、都内で発表会見が開かれた。
会見では、手塚氏の長男で手塚プロダクションの手塚眞取締役が「今年、アトムがついに(現実の)ロボットとして再デビューをする。世界に発信していける企画だ」と胸を張った。
プロジェクトは、各社が強みの技術やサービスを持ち寄り結集。富士ソフトはAIや二足歩行などの制御技術の設計開発を担う。同社の坂下智保社長は10年から展開してきた会話ロボ「パルロ」に触れ、「培った技術を注ぎ込む。リアルなロボットの世界を開きたい」とした。
他にNTTドコモ(東京都)はクラウド経由で自然な対話を可能にするプラットフォームを提供。VAIO(長野県)は心臓部のメーンボードと呼ばれる基板の実装を担当する。
同日の会見ではプロジェクト始動とともに、家庭へのロボット普及を目指す狙いで、毎週火曜日にATOMの部品が届く「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」(講談社)の4月4日創刊も発表。18年9月の最終70号でATOMが完成するという。