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鉄道コラム 前照灯(73) 
そこは廃線跡…新百合ケ丘の細長い「自転車等保管所」

話題 | 神奈川新聞 | 2011年3月11日(金) 00:00

 7年前、神奈川新聞の日曜版で廃線跡探訪を連載した。題して「神奈川の消えた鉄道」。14の路線・線区に及んだが、取り上げなかった所もある。その一つが小田急線新百合ケ丘駅周辺。多摩ニュータウンへの新線の分岐点となって以来、都市化がめざましい。

 昔の地形図をみると人家もまばら。入り組んだ里山に線路がくねっている。等高線がしわしわの円形状になっていて新百合ケ丘駅付近は丘陵地だったことが分かる。その高みを崩し、本線を付け替え、新駅を起点に多摩線が開通したのは1974年である。


 それまで本線は曲線で丘を迂回していた。その分だけ旧線の方が200メートルほど長かった。一部跡地は民間の資材置き場や川崎市の自転車置き場として使われている。歩いてみると、それらしく思われる脇道もあるが、ほかに廃線の痕跡は見当たらない。

 自転車置き場は「上麻生山口自転車等保管所」という。駐輪違反の二輪車が運ばれてくる。800台を収容できる。「山口」は周辺の古い地名と聞けば合点もいく。細長い敷地は多摩線の高架下まで100メートルばかり続く。その先は作業用の側線として線路が残っている。

 保管所には番小屋みたいなプレハブがあって係のおじさんがいた。ここは廃線跡ですよね、と声を掛けると「それが何か」。かえって不審がられたかもしれない。(F)

 
 

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