後を絶たない振り込め詐欺など特殊詐欺の被害防止策として、葉山町は2017年度から、固定電話機に接続して通話を自動録音する装置の購入助成制度をスタートする。不審な発信元が録音に警戒して電話を切る効果を期待しており、当初予算案に関係経費約70万円を計上した。
葉山署などによると、16年の町内の特殊詐欺の認知件数は7件(未遂含む)。被害者の多くが70代以上の高齢者で、被害額は計2620万円に上る。町内で不審な電話を認知すると、町が防災行政無線で周知している。
対策強化に向け、町が新たに助成する自動通話録音機は、固定電話機と電話回線の間に接続。かかってきた全ての電話に「振り込め詐欺などの被害防止のため、会話内容が自動録音されます」といったメッセージが流れた後、呼び出し音が鳴り、録音した会話は後から再生できる仕組みだ。町防災安全課は「メッセージが流れると犯人は電話を切るため、被害防止に効果がある」と期待する。
17年度は町が100台を購入し、自己負担額2千円で希望者に配布する。主に1人暮らしの高齢者に利用してもらうことを想定し、今後は対象者などを検討する方針だ。県内自治体で同様の助成制度を設けているところはほとんどないとみられる。