「山の日」(8月11日)制定を記念した写真展「いのち はぐくむ丹沢-その自然とくらし-」(丹沢資料保存会主催、神奈川新聞社など後援)が10日、横浜市西区のみなとみらいギャラリーで始まった。登山やレジャーだけでなく、貴重な水源として都市の暮らしを支える丹沢の魅力や現状を伝えている。15日まで、入場無料。
同保存会は、住む人や伝統、なりわいなど丹沢が持つ多様な側面に着目し、関連図書や写真を収集。今年で発足15周年を迎えたことから、山の日に合わせて写真展を企画し、約100点を並べた。
四季の表情を紹介したコーナーでは、新緑の山道や清涼感あふれる沢、西丹沢の紅葉、霧氷などが活写されている。渋沢丘陵から遠望した表尾根の写真は、半世紀前に撮影されたものと現在の姿を並べ、麓の街並みの今昔を比較できるようにした。
1950~60年代に見られた棚田や炭焼きの風景、民俗芸能「山北のお峯入り」など丹沢が人々の暮らしに深く結び付いていることを示す作品も多く紹介。若者が続々と押し掛けた高度成長期の登山ブームの影響、今も続くブナの立ち枯れなどの問題も取り上げており、保存会の永森邦雄代表は「都会の人々にもっと丹沢に関心を向けてもらいたい」と訴えている。
午前11時~午後7時(15日は午後5時まで)。