戦争について考える「戦争体験を語り継ぐつどい」が6日、横浜市中区で開かれた。体験者が旧満州(中国北東部)での経験などを語り、参加した約30人と戦争の愚かさを共有。次世代に伝える大切さを確認した。戦争体験を語り継ぐ会の主催。
横浜市在住の女性(83)は「敗戦時の『満州』の体験」と題し、ハルビンで女学校の1年生だった当時の様子を講演。ソ連のハルビンへの侵攻が迫り、近隣住民の話し合いで自決することが決まった。「ちゃんと死ねるように弟や妹と一緒に死ぬ練習をした。『天皇陛下万歳』と叫び、ばったと倒れる。そういう死に方が一番日本人らしいと言われていた」。侵攻前に終戦を迎え、玉音放送を聞いた際は敗戦が悔しくて泣いた一方、「死が回避され、ほっとした自分もいた」と振り返った。
戦後はソ連兵の暴行を免れるため丸刈りになり、学生服を着て男性を装ったと説明。戦時中に良好な関係だった日本人に対し、困窮を心配する中国人もいたといい、「人と人の関係が大事」と話した。
東京で空襲を体験し、疎開を経験した横浜市在住の市民(80)は、戦時下の子どもの生活について語った。「死ぬのは当たり前で怖いと思わない。空襲時、音を聞いて(米軍機の距離などが分かり、今夜は)安心して寝ても良いと思っていた」などと振り返り、「戦争は鉄砲を持たない女性や子どもが巻き込まれる」と訴えた。
参加者からは語り継ぐ重要性を指摘する声が相次いだ。中国出身で来日2年という中学3年の男子生徒は講演した女性の体験を踏まえ、「中国人と日本人が仲良くできると伝わった。もっと学びたい」と話した。