野生動物保護の活動は基本的に手弁当だ。国内外の油流出事故で野鳥を救うのも、その機器類をそろえるのも、同様だ。
川崎市中原区の獣医師・馬場国敏(68)はさらに、自らの病院の近くに土地を購入し、野生動物ボランティアセンターまで建ててしまった。なぜそこまでやるのか、やれるのか。
理由は出自にあるという。「僕は福岡の生まれでしょ。九州男児はね、すぐに『俺が日本を変えなきゃ』と思い込んじゃうの。坂本龍馬みたいにね。そこまでの力はないのに、大風呂敷を広げてね」
欧米に比べて遅れている日本の野生動物保護のあり方を…