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命の鳴き声
川崎のドリトル先生(1)油まみれの鳥たち、黒い海に決意

話題 | 神奈川新聞 | 2016年8月2日(火) 15:37

 川崎市中原区下新城の馬場総合動物病院の馬場国敏医師が、今年5月に野生動物保護活動を巡る最大の栄誉である「日本鳥類保護連盟総裁賞」(環境省)を受賞した。多岐にわたって活動を続ける「川崎のドリトル先生」の半生を追った。


1991年、サウジアラビアで重油にまみれた水鳥を取り上げる馬場医師
1991年、サウジアラビアで重油にまみれた水鳥を取り上げる馬場医師

 ひたすらに暗く、黒い世界が広がっていた。

 「もう、見渡す限り真っ黒。煙で空までどんよりしていて。まるで別の惑星に来たよう。気色悪い光景だった」

 1991年、ペルシャ湾。湾岸戦争により周辺の石油施設やタンカーが破壊され、大量の原油が海に流出した。海岸線の距離だけでも200キロに及んだ。

 川崎市中原区の獣医師、馬場国敏(68)が降り立ったのはサウジアラビアの沿岸だった。環境省に進言し、プロジェクトリーダーの命を受けた。海外での油汚染の野鳥救護活動は、日本人として初の試みだった。

 発生から4カ月がたっていたのに、事態は何も好転していなかった。どす黒い海に近づき、目を凝らす。岩と思っていた塊は、油まみれになった鵜(う)の死骸だった。丹念に歩くと、うごめく個体がいる。「現地は渡り鳥の中継点。次々と降り立ってくるんです」。1羽ずつを保護し、洗浄施設に連れ帰った。

 低体温症で弱った体をゆっくりと温めながら、油を洗い流していく。流動食を与え、体力の回復を待ち、油の除去を繰り返す。自然に返す判断基準は…

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