明治期に自由民権運動の拠点の一つだった伊勢原市上粕屋の古民家「雨岳文庫 山口家住宅」で5日、運動を顕彰する石碑の除幕式が行われた。この地で活動した政治結社「湘南社」の設立から135年の節目の年。運動家の子孫約20人を含む市民約190人が資金を出し合って建立した。
1881(明治14)年に大磯で設立された湘南社は、約150人が加入し相模国(現在の県央、湘南、県西地域など)で最初で最大の結社。勉強中心の穏健派で雨岳文庫は若者の勉強場所の一つだったという。
根府川石を使った石碑は、高さ約1メートル、幅約45センチ。正面に「自由民権の碑 自由は大山の麓より」と題字が刻まれた。約100人が集まった除幕式で、湘南社初代社長・山口左七郎のひ孫に当たる山口匡一さん(81)は「新しい農村をつくりたいという当時の若者たちの思いを忘れないでほしい」と話していた。