団塊の世代が後期高齢者になる2025年に向け、横浜の医療と介護を考える「地域医療構想講演会」(横浜市主催)が29日、約300人が参加し、同市西区のはまぎんホールヴィアマーレで開かれた。国際医療福祉大大学院の高橋泰教授が講演し、「老い方、死に方を省エネ型に変える必要がある」と指摘、高齢者の死生観も医療の在り方も大きな転換点を迎えていると強調した。
高橋教授は、急速に進む高齢化、人口減少の中で、人生のトータルの満足度を下げずに、1人当たりの医療・介護資源消費量を減らす方向性が不可避と説明。本人の意思や生活の質を重視し、胃ろうや経管栄養は虐待、食事介護を拷問に近い行為と考えるようになったフランスと同様の意識変化が日本でも起きる可能性が高いとした。
そのため、団塊世代は、どこまで食事介助や延命治療を行ってほしいのか、自分の意思をはっきり示しておくことが望ましいとし、「自分で決めて、自立して、食べられなくなったら枯れるように亡くなる。かっこよく老いて、かっこよく死のう」と語った。