川崎市は本年度、JR南武線の津田山駅(高津区)を橋上駅舎化する工事を開始する。現在は駅舎と改札が線路の片側にしかなく、駅利用者が踏切待ちする不便を強いられ、近接する小学校の登校にも支障があった。軟弱地盤を理由に昨年度の着工が先送りとなっていたが、2019年3月の新駅舎と自由通路の供用開始を目指す。
市は整備工事委託契約をJR東日本と結ぶ議案を、今月27日開会の市議会第2回定例会に提案する。国の要綱に基づき事業費22億円のうち市が約19億円、JR東日本が約2億円を分担する。
同駅に近い二つの踏切はピーク時に1時間当たり40分間以上遮断する「開かずの踏切」。線路の上に駅舎と自由通路(延長55メートル、幅4メートル)を設ける橋上駅舎化により、踏切待ちをしなくても駅が利用できるようになり、線路による地域の分断も緩和される。
特に近接する市立下作延小学校は6割の児童が踏切を横断して通学しており、南武線の事故などで踏切が長時間遮断する場合は登校に支障が出ていた。橋上駅舎化後は駅の自由通路を通学路に定める予定。
新駅舎はホーム中央付近に整備し、完成後に現在の駅舎は撤去する。同駅はバリアフリー化されていなかったが、橋上化に伴いエレベーターを3基設置する。
市は南武線の武蔵溝ノ口駅以北で同様の片側改札駅である稲田堤、中野島、久地、宿河原の各駅でも順次、橋上駅舎化を進める方針。